カウンセリングとは?

カウンセリングの進め方やカウンセラーがどんな役割を果たすのかについてご説明します。

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カウンセリングの目的

自分を守るための方法をより良くしていくことです。

いじめやパワハラ、DV、虐待など現実に人権侵害が行われている場合は行政機関の方が適任と思いますが、それが過去に受けたものだったり、自分に厳しすぎて自分で自分を苦しめてしまっている場合はカウンセリングのような抽象的な方法を用いないと心の修復ができません。

またおそらくカウンセラーはもう一人の自分を代弁しています。「休みたい」とか「疲れた」とかつぶやいているもう一人の自分と対話することで、健康や人間らしさといった価値観と向き合うことになります。

1.心の整理をする

話す内容を特に決めてきていない方にはまず来談動機をお聞きします。

相談するまでにいろいろな出来事が起こり、自分なりに対処しようとしたり誰かに相談なさったことと思います。

そのような取り組みの良かった点と課題を整理することで自分を支えてきたことがはっきりしてきます。

またカウンセラー自身の視点からお話します。私が今興味を持っているのは「甘え方を中心とした対人関係のこと」や「発達障害などを背景とした認知のこと」や「組織風土やリーダーシップ」ですので、そのあたりからお話することが多いです。

それくらいなら自分でできそうと思われるかもしれませんが、心の中に深く入っていく作業は時に危険を伴いますので、専門家の手を借りた方が安全です。

またカウンセラーは普段からそんなことばっかり考えているので手際が良いと思います。

2.カウンセリングの目標の提案

話をどこまで深めていくのかはお客様の現実生活との相談になります。

現在の健康度、心理的スキル、お仕事の忙しさ、今回限りの相談なのか何回通えるのか等考えながら、当面の目標と今何をすべきかを提案します。

同意していただけたら、具体的にどういう手順で進めていくか話し合います。

3.カウンセリングの役割

カウンセリングが他の健康法と違うのはカウンセラーと対話することです。このことが独自の効果をあげます。

ペースメーカーとして
自己を見つめていく作業を進めていくと自分の嫌なところや過去に経験した心の傷が思い出されてきて苦しい思いもします。カウンセラーはお客様の調子を見ながら心の作業を進めていくペースメーカーの役割を担います。
心のコーチ役
スポーツなどの実技では自分では上手くできているつもりでも、外から見ると上手くいってないことがあります。自分で自分のことを知るのは中々難しいです。
そんな時にコーチが必要とされるように、心のことも他者から見ないと気づけないことがあると思います。
何でも話せる場
旅をした時のように日常のしがらみから解放されて、気兼ねなく話すことができます。ホッとできる時間を実感されることと思います。
自分の問題に同調者ができる
悩みを共有することによって孤独感が和らぎ自己の存在が肯定されるように感じられます。また相手は数々のケースを経験している専門家ですので、道が拓けたようにも感じられると思います。
問題と距離が取れる
人間関係のトラブルが起こっているとき、相手に対する感情の温度が幾分下がり、余裕を持つことができるようになります。すると人間関係がうまくいってなかった理由を考えることができるようになってきます。
生身の人間はインパクトが違う。
ライブに行くとわかりますが、CDで聴くのとはインパクトが違います。これはカウンセリングについても言えることです。

4.カウンセリングの流れ

  • 1 簡単に経過をお伺いします。
  • 2 カウンセラーが問題や悩みを要約します。
  • 3 それに対するご意見を伺います。
  • 4 お客様が納得いくまで 2〜3 を繰り返します。
  • 5 問題意識が共有されたことを確認します。
  • 6 共同で対処法を考えていきましょう。

5.カウンセリングの間隔

カウンセリングが進んで、「自分なりにやってみよう」という意欲が強くなってくればカウンセリングの終了です。一度で終わられる方も多いです。

継続される方は2〜4週間の間隔で行うことが多いです。少し間があくので、「宿題」を設定したりしています。

6.カウンセリングの終結

カウンセリングを受けてどんな成果があったか、どんなことを身につけたか人に説明できるようになったら卒業でしょうか。